2009年1月22日

JIS X 8341-3 改正原案公開レビュー

JIS X8341-3の改訂版のパブリックコメント募集が始まりました。改訂版は、WCAG 2.0 と協調した内容ですが、加えて設計プロセスに関する記述や、試験方法の記述が加わりました。また、テストして、JIS Q1000 などを使った適合宣言にも対応できるようなものになっています。2009年 コメント募集は2月22日(日)までですが、ワーキンググループの作業がとてもタイトなので、早めにコメントください。

http://www.jsa.or.jp/stdz/instac/commitee-acc/WG2/review2009/ITBF_Web_review.html

2008年12月26日

WCAG 2.0 and JIS X8341-3:2009

WCAG 2.0 勧告が2008年12月11日に出ました。奇しくも、私の誕生日でした。

JISのワーキンググループ(WG)は、年内にこれと一致した JIS X8341-3:2009 の原案を作るために議論と作業を重ねています。基本的な方針は、原則 - ガイドライン - 達成基準 はすべて完全一致ということ進んでいます。しかし、周辺部分(プロセスに関する規定などなど)では多くの議論があり収束に向けて怒涛のような作業が進められているわけです。

大きなテーマのひとつは、適合性評価です。JIS X8341-3:2004 は適合しているかどうかを判断できる規格としての完成度を持っていたとは言いがたいのですが、WCAG 2.0 のウリのひとつが testable ですから、今回は評価できる、適合したといえる枠組みを提供しようとしているわけです。これは、いろいろなブレのある評価方法が蔓延してしまっている現状に対する、JISとしての解決策の提案でもあります。

年が明けたら、多くの人に見てもらえる状態になる予定です。また、WCAG 2.0 の翻訳版も公開される予定です。公開されたら、ここでお知らせします。

2008年11月19日

障害者権利条約とICT政策検討会議

障害者権利条約とICT政策検討会議が来週土曜日に開催されます。
ICTをめぐる国連の障害者権利条約の動向などを議論したい方向けのイベントです。
会場が狭いので、必ず事前に申し込んでください。

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主催 日本障害者協議会(JD)情報通信委員会
日時 2008年11月22日(土)13時~17時
会場 マイクロソフト新宿本社会議室(新宿南口・小田急サザンタワー内)
内容
 1)シンポジウム=障害者権利条約とICT政策の課題
   コーディネター=伊藤英一(長野大学社会福祉学部教授)
   シンポジスト=
    梅垣正宏(情報アクセシビリティ研究者)
    「情報アクセシビリティの国際動向と障害者権利条約の課題」  
    薗部英夫(日本障害者協議会情報通信委員長)
    「障害者権利条約の批准をめぐっての情勢と課題
      -政府と障害者団体との意見交換会を通してみえる日本の現状-」
    堀込真理子(東京都障害者ITサポートセンター事務局長)
    「障害者権利条約とICTに関連する国内法見直しの課題
      -機器とサポートシステムの実践的視点から-」
    フロアートーク=
  2)私たちのICT政策提言(案)
   *権利条約にてらして、日本のICT施策に提言しましょう!

*参加申込は、お名前、アドレス、仕事・所属などを
 メール jdict@nginet.or.jp  してください
*資料代として1000円、当日受付にてお支払いください

2008年9月10日

公共サイトのためのブラウザ標準(英国)

英国政府が、「公共サイトのためのブラウザ標準の公的諮問(Public consultation on browser standards for public sector websites)」というブラウザのガイドライン草案を公開した。公共サイトのWeb開発をする人が、どのブラウザを使ってテストをすればよいかを定めるのが目的だ。中身をざっと読むと、どんなブラウザが使われているかを調べて、2%以上を占めるブラウザとOSをサポートし、少なくとも各OSで2つ以上のブラウザをサポートしろ・・・といったことが書かれている。

ワードで15ページのざっくりとした内容だけれど、どこまでブラウザをサポートするかを決める「指針」としては使いやすい内容ではないかと思った。日本では、今でも古いブラウザをサポートすると決めていて、Webデザイナーを苦しめているケースがあるらしい。こういう基準が明確だと、不合理なブラウザサポートを排除できていいと思う。

なお、アクセシビリティはこのドキュメントの主目的ではないが、Lynxを使ってテストしたほうがいいとか、いくつか大事な事だけは書いてあった。

Good Job!

2008年8月19日

Web Accessibility の評価法

Support-EAM Projectのサイトに 

Web Accessibility Evaluation Curriculum というWeb Accessibility 評価のためのカリキュラムのページがある。このカリキュラムは、

の4つで構成されている。評価手法はUWEMで、体系はCEN Workshop Agreement に基づいている。

また、EIAO (European Internet Accessibility Observatory) では、Webサイトをクローリングして評価するシステムの開発も進んでいる。

客観的な評価の方法を考え、評価結果を使う体系を生み出し、実際のサイトをモニタリングする。こういった仕組みは、どうも日本では各企業の自助努力に任されてきた。それは、JIS X8341-3 を含むアクセシビリティJISが、「評価」「適合性」を考えることの難しさから逃げてきたことに一因があると思う。もちろん、JIS X8341 の策定の中ではああいう選択しかなかったのだろう。欧州のこういった動きを見ていると、われわれよりも後でスタートしたという有利さがあるにしても、その構造は美しいなと感じるまた、最先端の研究者がかかわって開発がすすでいることもうらやましい。EUはこの分野に、大きなお金を投入しているから、それがこういった取り組みを支えているのだろう。日本はどう進んでいくのだろう。

2008年6月3日

Adobe Acrobat 9 のアクセシビリティ

Adobeのページで、まもなく発売される Acrobat 9 のアクセシビリティの特徴が紹介されている。要約すると、

  • PDFのテーブル読み上げ順を編集する「Table Editor ツール」のサポート。このツールで、PDFファイルのrole/stateを指定できる
  • 「TouchUp Read Order ツール」の改良。複数行のテキストやユニコード対応など
  • ダイナミック PDF フォームの改良。動的な表示が支援技術でも扱えるようになった
  • IAccessible2 アクセシビリティAPIサポート

詳しいことはまだよくわからないが(よく読んでいないが)、IAccessible2 対応というのが、最も重要な内容であることは間違いない。Acrobat 9 では、Flashコンテンツを扱えるようになっているので、Flashコンテンツも IAccessible2 対応ができたのかもしれないと期待。

ただし、これは Firefox 3FirevoxNVDAJAWSWindow-Eyes などの IAccessible2 対応が進んでいるブラウザや支援技術を用いることが前提なので、今すぐユーザに使える状態ではない。しかし、Acrobat が製品として IAccessible2 に対応したことは大きい。スクリーンリーダーなどの支援技術の対応は確実に加速するはずである。

発売されたら、日本語環境ではどうなっているのか試してみたいところだ。 日本のスクリーンリーダーにも、がんばってもらいたい。

Adobe Acrobat 9 accessibility
http://www.adobe.com/accessibility/products/acrobat/
What’s new in Acrobat 9 accessibility
http://www.adobe.com/accessibility/products/acrobat/whats_new.html