2011年4月29日

インターネットで公開するPDFのセキュリティとアクセシビリティ

Adobe Acrobat には様々なセキュリティ機能があり、編集できなくしたり、パスワードで保護する、印刷できなくする、といったことが可能である。業務上秘密にしなければならない情報をやり取りする際には、便利な機能だ。

しかし、それをそのままインターネットで公開する PDF にも適用してしまうのは、やりすぎなのではないかと思う。インターネットでセキュリティを設定する最大の理由は、「文書が改ざんされるのを防ぐ」ことだ。しかしそうすると、テキストをコピーしてメモ帳で読み上げることもできなくなり、アクセシビリティオプションの設定もややこしくなる。いきおい、アクセシビリティのハードルは高くなってしまう。インターネットで公開するドキュメントなのだから、改ざんなんて結局どうやってもできてしまうわけで、ファイルの自己同一性を確保するだけでいいのではないか。

そうすると、PDF 単体は特段の設定をしないで、md5sum などを使ってメッセージダイジェストを明記しておくだけでもいいはずだ。そうすれば、改ざんされたPDFファイルではチェックサムが一致せず、改ざんされたことが明確になる。オープンソースでのファイル公開ではよくある方法である。

公開される情報であってもセキュリティを確保したいというのはわからないでもない。しかし、MD5 で十分だし、そうすることで少しはアクセシビリティのハードルが下がる。そう考えることはできないのだろうか。

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